「使うのは年に数日。でも、整備も保管も必要。」農機を持ち続ける負担を考える
2026/10/06
「まだ使えるから、とりあえず持っている。」
農家さんの倉庫を見ると、そんな農機が置かれていることがあります。
毎年使うことは使う。
でも、出番は年に数日。
それでも、いざ使おうと思ったら動かなかった、では困ります。
点検も必要です。
故障すれば修理も必要です。
保管する場所も必要です。
農機は、買ったときだけお金がかかるものではありません。
「持ち続けること」にも負担があります。
年に数日でも、持っていれば管理が必要。
例えば、年に3日しか使わない農機があったとします。
実際に動いているのは、ほんのわずかな時間です。
それでも一年間、倉庫に保管して、使う前には状態を確認して、必要ならオイルや消耗品を交換して、故障すれば修理する。バッテリーが上がることもあります。タイヤやベルト、ホースなどが劣化することもあります。
使う時間が短いからといって、管理まで少なくなるとは限りません。
「ほとんど使っていないのに、今年も修理代がかかった。」
そんなこともあります。
「まだ使える」と「持っていたほうがいい」は別の話
長年使ってきた農機ほど、
「まだ動くから置いておこう。」
となりがちです。
もちろん、必要な機械を無理に手放す必要はありません。
ただ、一度考えてみてもいいと思います。
その農機は、
「一年に何日使っているのか」
「これから何年使う予定なのか」
「毎年どのくらい維持費がかかっているのか」
「保管場所をどのくらい使っているのか」
もし年に数日しか使っていないのであれば、
「所有し続ける以外の方法はないだろうか」
と考える余地があります。
農機が増えるほど、管理するものも増えていく
農業を長く続けていると、少しずつ農機が増えていきます。
トラクター・草刈機・管理機・運搬機・さまざまな作業機。
一台一台は必要があって購入したものです。
でも、農業のやり方が変われば、以前ほど使わなくなる農機も出てきます。
それでも所有していれば、管理しなければなりません。
特に一人や少人数で農業をしている場合、
農作業だけでなく、農機を管理すること自体が仕事になってしまいます。
必要な農機だけを所有するという考え方
すべてを手放して、全部レンタルにする必要はありません。
よく使うトラクターは所有する。
毎年何度も使う草刈機も持っておく。
一方で、
年に1回しか使わない機械。
特定の作業でしか使わない機械。
これから使用頻度が減りそうな機械。
こうしたものは、必要なときだけ借りる。
つまり、「全部持つ」か「全部借りる」かではなく、使い方によって分ける。
そんな農機の持ち方があってもいいと思います。
手放したら困る。その不安も当然です
とはいえ、
「売ってしまったあと、急に必要になったらどうするんだ。」
という不安もあります。
これは当然です。
必要になったときに借りられる保証がなければ、使う回数が少なくても手放しにくいと思います。
だから、農機を所有しないという選択肢を増やすためには、先に「必要なときに借りられる環境」をつくらなければなりません。
近くで何が借りられるのか。
誰に相談すればいいのか。
整備された機械なのか。
そうした安心があって初めて、
「これは持たなくてもいいかもしれない。」
という判断ができます。
使わなくなった農機にも、別の活かし方がある
もう一つ考えたいのが、「自分ではあまり使わないけれど、まだ手放したくない農機」です。
年に数日、自分では使う。
それ以外の期間は倉庫に置かれている。
そんな農機なら、使っていない期間に別の農家へ貸し出すという方法もあります。
もちろん、大切な農機ですから、農家同士で直接貸し借りするのは不安があります。
だからこそ、点検や状態確認ができる農機店が間に入る。
自分が使わない時間だけ農機を活用できれば、維持費の一部を農機自身に稼いでもらうという考え方もできます。
「買った農機は最後まで自分だけで使う」から少し変えてみる
これまでは、
必要だから買う。
自分で使う。
古くなったら買い替える。
という流れが一般的でした。
これからは、そこにもう少し選択肢があってもいいと思います。
よく使うなら所有する。
数日だけなら借りる。
購入前なら試す。
使わない期間があるなら貸す。
古くなったら整備して使い続ける。
状況に合わせて選ぶ。
そうすることで、農機にかかる負担を少し軽くできるかもしれません。
nRnsがつくりたいのは「農機を選べる環境」
nRnsは、農家に「農機を買わないほうがいい」と伝えるための仕組みではありません。
たくさん使う農機なら、購入したほうがいい。
必要なときにすぐ使いたい機械も、所有する価値があります。
一方で、ほとんど使わない農機まで、一軒一軒の農家がすべて抱える必要があるのか。
そこには別の選択肢があってもいいと思っています。
買う。借りる。試す。貸す。整備して長く使う。
その農家に合った方法を選べる地域をつくる。
それがnRnsの目指している農機の新しい使い方です。
農機の台数ではなく、「農業を続けやすいか」で考える
農機をたくさん所有していることが、必ずしも農業の安心につながるとは限りません。
大切なのは、必要な農機を、必要なときに使えること。
そして、そのための負担が農家にとって無理のないものであることです。
「この機械、今年は何日使ったかな。」
倉庫にある農機を見ながら、一度そんなことを考えてみる。
そこから、これからの農機との付き合い方が少し変わるかもしれません。

