「まだ農業は続けたい。でも、今までと同じやり方はきつくなってきた。」
2026/10/02
「農業をやめたいわけじゃないんだよ。」
農家さんと話をしていると、そんな言葉を聞くことがあります。
田んぼもある。畑もある。できれば、まだ自分で続けたい。
でも、
「昔みたいには体が動かなくなってきた。」
「一日作業すると、次の日まで疲れが残る。」
「重いものを持つ作業がきつくなった。」
農業を続ける気持ちはあっても、体への負担が少しずつ大きくなっている。
そんな農家は少なくないと思います。
だからといって「大変になったから農業をやめる。」
それしか選択肢がないのでしょうか。
農業をやめたいのではなく「今までのやり方」が難しくなった
長く農業を続けている人ほど、自分なりのやり方があります。
毎年同じ時期に、同じ機械を使って、同じ手順で作業する。
何十年も続けてきた方法です。
でも、年齢を重ねれば体は変わります。
以前なら何ともなかった作業が、少しずつ負担になることもあります。
ここで大切なのは、
「農業ができなくなった」のではなく、「今までと同じ方法では大変になった」
と考えてみることです。
やり方を少し変えれば、まだ続けられるかもしれません。
一番大変な作業だけ変えてみる
すべてを新しくする必要はありません。
例えば、
草刈りだけが大変。
重い資材を運ぶのがつらい。
乗り降りの多い作業がきつい。
長時間同じ姿勢で作業するのが大変。
農家によって負担を感じる作業は違います。
だったら、
一番大変な作業だけ、機械の力を借りる。
そんな考え方があってもいいと思います。
・今まで一日かけていた作業を半日で終わらせる。
・人が持っていたものを機械で運ぶ。
・歩いて行っていた作業を乗用型の機械に変える。
一つ変わるだけでも、農業全体の負担は変わってきます。
でも、あと何年使うか分からない
ここで出てくるのが、農機購入の問題です。
「便利なのは分かる。でも、この年齢から新しい機械を買うのはなぁ。」
これは当然の悩みだと思います。
あと何年農業を続けるのか。
後継者はいるのか。
購入した金額を回収できるのか。
そう考えれば、数日しか使わない農機に大きな金額をかけることには迷いがあります。
だからこそ「最初から買わなくてもいい」という選択肢が必要になります。
まず一度使ってみる
例えば、
「この機械なら草刈りが楽になりますよ。」
と言われても、本当に自分に合うかは分かりません。
「操作できるのか」
「自分の田畑で使えるのか」
「本当に体が楽になるのか」
実際に使ってみなければ分からないことがあります。
だったら、一度借りてみる。
実際の作業で使ってみて「これなら楽だ。」
と思えば、次の年も借りる。
毎年何度も使うようなら、そのとき購入を考えてもいい。
反対に、
「自分には合わなかった。」
となれば、別の方法を探せばいい。
試してから決められるだけでも、農家にとっては大きな安心になります。
「何の農機が欲しいですか?」だけでは見えてこない
高齢になった農家に、
「欲しい農機はありますか?」
と聞いても、
「別にないよ。」
と言われるかもしれません。
でも、
「今、一番大変な作業は何ですか?」
と聞いたらどうでしょう。
「最近、草刈りがきつくて。」
「肥料を運ぶのが大変になった。」
「この作業だけ誰かにやってもらいたいんだ。」
違った答えが返ってくるかもしれません。
農家自身が、どんな機械なら負担を減らせるのか知らない場合もあります。
だからこそ、農機から話を始めるのではなく、困っている作業から話を始める。
そこに新しい提案のヒントがあります。
「もうやめようかな」の前にできること
農業をやめる理由は、一つではありません。
後継者がいない。
農機が古くなった。
収益が合わない。
そして、
「体がきつくなった。」
という理由もあります。
もちろん、農機だけですべてを解決することはできません。
それでも、一番つらい作業を楽にできたら。
高額な農機を買わなくても、必要な時だけ借りられたら。
今まで二日かかっていた作業を一日で終わらせられたら。
「あと少し続けてみようかな。」
と思える人がいるかもしれません。
その「あと少し」は、地域農業にとって決して小さなことではないと思います。
農機を届けることより、「続けられる方法」を届ける
nRnsが目指しているのも、ただレンタルできる農機を増やすことではありません。
農家が困っていることを聞く。
その作業に合った農機を探す。
必要なら一度試してもらう。
レンタルで十分なら借りてもらう。
これからも長く使うなら購入を検討してもらう。
今ある機械を整備して使い続けるという方法もあります。
大切なのは、その人が無理なく農業を続けられる方法を一緒に探すこと。
だと考えています。
「続けたい」という気持ちを、機械で支えられないか。
年齢を重ねれば、できなくなることもあります。
でも、やり方を変えることで、できるようになることもあります。
「昔と同じようにできないから、もう農業は無理。」
ではなく、
「今の自分に合ったやり方なら、まだできる。」
そう思える環境を地域につくる。
農機を売る。
農機を貸す。
農機を整備する。
その先にあるのは、農家が農業を続けることです。
「まだ農業は続けたい。」
その気持ちに応えられる選択肢を、地域でもっと増やしていきたいと思います。

